信頼

BL

発展場で転がり込んできた男に、名前より先に腕枕した件

発展場の奥、隙間なく布団が並ぶ雑魚寝部屋。遊び疲れた京介の太腿へ、隣で眠る若い男が頭を預ける。足の痺れに耐えかねて引き上げれば、その頭は腕枕へすぽんと収まり、名も知らない二人の会話が始まる。
GL

雨上がり、二つのマグと最優先の日曜日

帰る頃には片方が眠り、出かける頃にはもう片方が寝入っている。そんな二週間を越えた雨の夜、美代は濡れて帰った早苗を迎える。軽口を交わしながら確かめ合うのは、離れていた時間と、言葉にできなかった心配だった。
BL

普段は言わない『好き』をたくさん言う金曜日

会社では名字で呼び合う陸と健太も、家に帰れば二年目の恋人同士。ハイボールの缶が空くにつれ、普段は照れて口を閉ざす健太から、胸にしまっていた言葉がこぼれ始める。
TL

「一緒に」とうなずいた妻の、守れそうにない約束

言葉にしない合図までわかるほど、静かな夜を重ねてきた遥斗と智子。それでも遥斗には、妻をひとり置き去りにしたくないという不安がある。つないだ手を離さず、二人は互いの呼吸を確かめ合う。
TL

「見えなかったぶん、全部聞こえてた」――目隠しのタオルと、同棲一年目の新しい手順

食事も風呂も、抱き合う時間さえ慣れた手順になっていた朔と文香。穏やかな同棲生活の奥にある心細さを破ったのは、文香から届いた「今夜は、いつもと違うことがしたい」という一言だった。
TL

「それが仕事だから」――女風の処女客に、翔太は嘘をつく

シティーホテルの最上階で、コートも脱げずに立ち尽くす穂乃香。翔太は急がせず、嫌なら止めると確かめながら、その冷たい手を包む。客には等しく丁寧でいるはずの彼は、今日に限って熱が入りすぎる自分に気づいていた。
TL

二十年目の夫は、私の弱いところを知っている

四人の子どもが出払った、めずらしく静かな夜。明日の家事を気にする奈津子を、亮介は決して急かさない。二十年かけて覚えた呼吸とペースが、夫婦を父と母ではない時間へ連れ戻す。