「……すごい。歓迎されてる」
「言わない、でっ、ん、ああっ」
ゆっくりと抜き差ししながら、貴子は舌で頂を追い立てた。
莉央の声がどんどん高く、短くなっていく。
抵抗はもうどこにもなくて、ただ与えられるものを受け取るためだけに身体が開いていた。
「莉央、こっち見て」
顔を覆っていた腕が、震えながら外される。
涙の膜の張った目が、下から見上げてくる貴子と合った。
それだけで莉央の中がきゅうと収縮した。
「そう、その顔。ずっと見たかった」
「あ、や、いく……っ、いっちゃ……」
「いっていいよ。ちゃんと見ててあげる」
指が奥をゆっくりと押し上げ、舌が最後に強く吸い上げた瞬間、莉央の身体が跳ねた。
声にならない声を上げて、貴子の腕の中で何度も痙攣する。
抱え込まれた脚が、ようやく解放されて力なく投げ出された。
しばらくのあいだ、莉央は呼吸を整えることしかできなかった。
貴子は唇を手の甲で拭い、隣に身体を滑り込ませた。
「……ひどいです」
「そう?」
「先生のくせに、いじわるすぎます」
「もう先生じゃないよ。恋人」
莉央は少し黙ってから、貴子の胸に額を押しつけた。
「……自覚、しました」
「うん」
「でも、もう一回言われたら、また泣くと思う」
「じゃあ何回でも言ってあげる」
「やだ」
莉央は笑って、それから小さく息を吐いた。
まぶたが重い。
部屋の灯りはつけたままで、外はもう夜の底だった。
貴子の指がゆっくりと髪を梳いてくれるのが心地よくて、抗う言葉はもうひとつも出てこない。
「寝ていいよ」
「……シャワー」
「あとで一緒に入ろう。私が洗ってあげる」
「……それ、絶対いじわるするやつだ」
「かもね」
返事はなかった。
規則正しい寝息に変わった恋人を、貴子は自分の腕の中へ少し引き寄せ、その額にひとつ、静かに口づけた。

