「ちゃんと脚開いてろ」幼馴染に与えたご褒美

絵里は幼稚園の頃からの幼馴染で、俺は三つ年上になる。

子どものころは大きかったその差も、今ではほとんど意味を持たない。

それでも近所の子ども同士として始まった関係は大人になっても切れず、絵里は当たり前みたいな顔で俺の部屋に上がってくる。

俺が上の立場に置かれるのも、絵里がそれを疑いもしないのも、あの頃から何ひとつ変わっていない。

ただ、変わっていないのは絵里のほうだけかもしれない、と思うことがある。

昔と同じ顔で笑う相手を、俺はもう昔と同じようには見ていない。

いつからそうなったのか、自分でもはっきりとは言えない。

絵里のほうは、幼馴染のままの距離でいるつもりのようにも見えるし、そうでないようにも見える。

確かめたことは一度もない。

だから絵里が来ている日は、時間の進み方がいつもおかしくなる。

その場では何も数えていないのに、後になってから、あれは何時間前のことだったかと、指を折るようにして辿ることになる。

今日もそうだった。

TL
PR
この作品をXでポスト