一時間前まで、絵里はこの部屋のローテーブルでコーヒーを飲んでいた。
仕事の愚痴を垂れ流して、俺が相槌を打つたびに足をぱたぱたさせて、幼稚園の頃から変わらない仕草で笑っていた。
それがどうしてこうなったのか、いちいち思い返す必要もない。
三つ年上の俺が手を伸ばせば、絵里は昔から必ずこちらへ倒れてくる。
薄暗い寝室で、俺は絵里の腰を引き寄せて四つん這いの形にさせた。
肘をついた背中がしなって、肩甲骨のあいだに影の溝ができる。
髪を耳にかけてやると、絵里は顔だけ振り返って、まだ何か言い返そうとする目をした。
言わせないまま、俺は背後から手を差し入れる。
内腿の付け根はもう湿っていて、指を添えただけで滑った。
時間はたっぷりかけた。
上から下へ、浅い場所を撫でるだけを何度も繰り返して、絵里が腰を揺らしてねだるたびに手を止める。
焦らされた身体は正直で、俺の指先を追って自分から下がってこようとする。
その動きを押し戻して、また撫でる。
シーツを掴む指の関節が白くなっていくのを、俺は上から眺めていた。
指をゆっくり沈めたのは、絵里の呼吸が声に変わってからだ。
二本、根元まで。
中は熱くて、俺の指の形を確かめるみたいに絡みついてくる。
腹側の膨らみを押し上げながら、手首を細かく使う。
ぐちゅ、と粘った音が部屋の空気を濁らせて、絵里の喉から高い息が漏れた。
「蓮……っ、それ、だめ、もうイキそう……っ」
膝が内側へ寄って、太腿が閉じようとした。
俺の腕を挟み込んで、動きを止めようとする反射。
逃げる気なんてないくせに、絶頂の直前になると絵里はいつもこうやって身体を畳もうとする。
パシッ、と乾いた音を立てて、俺は空いた手で絵里の尻を叩いた。
「ちゃんと脚開いてろ」
短く言うと、絵里の背中がびくりと跳ねて、閉じかけた膝が震えながら開いた。
白い尻に薄く赤みが残って、そこだけ熱を持っているのが見て取れる。
開いた姿勢を保とうとして、内腿の筋が細かく痙攣している。
閉じたいのに開いている膝を見た瞬間、指の腹が行き止まりのほうへ押した。
指を深く送り込む。

