角度が変わった瞬間、彼女の腰がびくりと跳ねた。
「あ、っ……ん、や……いま、それ……っ」
「一緒にって言ったの、智子だよ」
「言って、ない……うなずいた、だけ……っ、はぁ……」
「同じでしょ」
こんなときまで屁理屈をこねる智子に笑いながら、遥斗は少しずつ動きを速めた。
一度リズムを上げると、静かな寝室に重なる音がやけに大きく響いた。
智子の呼吸が「はっ、ぁ……んっ」と細切れになっていく。
抱えた脚から、絡めた指から、余裕がなくなっていくのが伝わってくる。
「ん、ん……はっ、あ……っ」
「息、止めないで」
「だ、って……っ、止めてな、あっ……んぅ……!」
言葉の途中で声が裏返り、そのまま輪郭を失った。
智子は唇を閉じようとして失敗し、熱い息と一緒に甘い声をこぼす。
爪先がシーツを掻き、膝が震えた。
遥斗の視界の端も、白く滲み始める。
自分の息もすでに乱れ、「は……っ、智子」と名前を呼ぶ声が普段より低く掠れた。
「智子。……ちゃんと俺を見て」
「ん……はぁ……っ」
呼びかけると、智子は重たそうにまぶたを持ち上げた。
潤んだ瞳が、必死に遥斗を捉える。
その視線だけで、奥歯を噛んで堪えていたものが崩れそうになった。
——もう少し。
もう少しだけ、待ちたい。
遥斗は「ふぅ……っ」と長く息を吐き、動く角度をわずかに変えた。
智子の反応が強くなる場所を確かめるように、浅く、次は深く。
繰り返すたびに彼女の腰が跳ね、背中を伝う汗がシーツへ落ちた。
「ひ、ぁ……っ、そこ……や、ぁ……っ」
「止める?」
訊くと、智子は荒い息の合間に、すぐ首を振った。
逃げるどころか、遥斗の袖をつかむ指に力を込める。
「ちが……止めない、で……っ、お願い……」
「素直でよろしい」
「遥斗の、ばか……んっ……」
罵る声まで甘く濡れ、語尾は吐息と一緒に消えていった。
智子の脚が遥斗の脇腹を挟む。
逃れようと揺れたはずなのに、最後には引き寄せるように力がこもった。
「息、吸って。……そう、ゆっくり」
「すぅ……っ、は……ぁ……」
「上手」
褒めると、智子は恥ずかしそうに顔を背ける。

