入ってきたとき、奈津子は思わず息を呑んだ。
一度達した後の身体は、どこもかしこも敏感になっていて、押し広げられる感覚だけで喉が鳴る。
「あ……っ、ん、……ふ、」
亮介はゆっくり奥まで入れて、そこで止めて、送り返す。
深さを一定に保って、同じリズムで、同じ場所を押し続ける。
正直、亮介自身はもう限界に近かった。
中が熱くて、絡みついてきて、動くたびに奥へ引き込まれる。
でも、ここで自分の気持ちよさを追いかけたら、奈津子の快感のペースが崩れてしまう。
「っ、そこ……そこ、気持ちい…」
「よかった、じゃ、そのまま」
「んっ、ん、……あ、あ、っ」
奈津子は、自分の身体の奥に何かが溜まっていくのを感じていた。
表面の鋭い快感じゃない。
もっと重たくて、腰の芯から広がるような、逃げ場のないやつ。
怖いのに、もっと欲しい。
亮介が軸になるリズムを崩さずにいてくれるから、安心して、そこに身体を預けられる。
「りょ、すけ……っ、来る、また」
「うん」
挿入してから最初の波が決壊した。
奈津子の内側がびくんと波打って、声にならない息が漏れる。
後ろから亮介の腕に手を回し、自分を引き寄せるように腰を押しつける。
亮介は止めなかった。
同じ深さ、同じリズムのまま、奥を押し続ける。
奈津子は絶頂が終わる前に、また同じ場所を何度も突かれて、腰が勝手に震えた。
「ま、待って、今、……っ、ぁ、無理、無理っ」
「大丈夫。力抜いて」
次の波は、さっきより深いところから来た。
その次はもう、どこで終わってどこで始まったのか分からなかった。
奈津子の首筋は汗で光って、涙が勝手に目尻を伝って、口は半分開いたまま閉じない。
喉から出るのは、意味のない、短い息ばかり。
それでも亮介は、軸になるペースと圧を崩さなかった。
両腕を突っ張って自分の重みを抑え、奈津子の浅い呼吸に合わせて、ほんの半拍だけ遅らせる。
速くしたい衝動は、奥歯で噛み殺した。
ここで流れを乱したら、積み上がったものが崩れてしまう。
「息、吐いて」
低く言われて、奈津子は言われるままに細く吐いた。

