膝が小刻みに笑って、それでも倒れられない。
かわいい、という言葉しか浮かばないのに、腰だけは止まらなかった。
根元まで埋めて、引き抜くたびに糸を引く音がした。
「文香、息して。止めるな」
「し、てる……っ、でき、な……っ」
答えになっていない。
喉の奥で言葉が溶けて、短い悲鳴めいた声が零れる。
俺は片腕で彼女の腕をまとめて支え、空いた手で汗の浮いた腹を撫で下ろし、股の先まで滑らせた。
触れたクリトリスが跳ねる。
そのたびに中が締まる。
「ここ、わかるか」
「わか、る……っ、わかっちゃう、から、やだ……っ」
「やだって言いながら、腰引いてないぞ」
「言わ、な……っ、あ、あっ、また、きちゃう……っ」
見えないぶん、文香は音と触覚だけで俺を追っている。
俺が息を詰めれば身体を硬くし、名前を呼べば顎を上げてこちらを探す。
首筋に唇を落とすと、歯が当たって、声が一段高く裏返る。
「そこ、だめ耳、ちかい……っ」
「近づけてるんだよ」
囁いた途端、腕の中の身体がぐずりと沈みかけた。
すかさず引き上げる。
膝が床を滑って、支えを失った重みが全部こちらに預けられる。
先っぽまで締め上げられて、出すのを我慢するのがやっとだった。
「文香」
「んっ、さ、く……っ」
「限界か」
「限界、……いく、いっちゃう、っ、離さないで──」
声が途切れ、息が止まり、全身が短く痙攣した。
穴が根元を脈打つように締め、腕の中で文香が完全に力を失う。
俺はもう立たせることをやめて、そのまま二人でベッドへ崩れ落ちた。
沈めたまま腰を深く押し込み、彼女の中へ射精する。
白いものが結合から溢れて、太腿を伝った。
手早くネクタイを解く。
跡の残った手首をさすり、目隠しのタオルを外すと、涙で濡れた睫毛が何度も瞬いた。
「……文香、大丈夫か。痛くなかったか。やりすぎた?」
声が上ずっていた。
文香はしばらく荒い息をついたあと、枕に顔の半分を埋めて、こちらを上目に見た。
「……大丈夫。すごく、よかった」
「ほんとに?」
「ほんとに。……もう、そんな心配そうな顔しないで。せっかくの余韻が…」

