実を言うと、僕はこの時間がいちばん好きだ。
咥えている時の顔を見るのが、たまらなく好きなのだ。
経験の少ない子のぎこちなさ。
歯を立てないように気をつけて、唇の内側で包もうとする必死さ。
これまでの客も、悪くはなかった。
会議室で人を動かすような人が、スーツを脱いだ途端に上目遣いで蕩ける落差。
昼間は子どもの話を優しく笑っていた人が、夜になると別人みたいな顔で口を使うギャップ。
どれも仕事の醍醐味だと思っている。
けれど今、睫毛を伏せて先端を舌でたどっている穂乃香は、そのどれとも比べものにならなかった。
やり方を知らないから、ただ懸命に動いている。
苦しくなって口を離すたび、濡れた唇で小さく息を継いで、申し訳なさそうに僕を見上げる。
その目が、まずい。
「……へた、ですよね」
「全然。すごく気持ちいい」
「ほんとに?」
「ほんと。ほら、わかるでしょ」
自分でも呆れるくらい硬くなっているのが伝わったらしく、穂乃香の頬がぱっと赤くなった。
その顔を見て、また硬くなる。
彼女はもう一度深く咥えて、舌先をたどたどしく這わせた。
根元まで含みきれず、唇の端から唾が糸を引く。
「……そろそあろ、やめとこうか。終わっちゃうから」
「終わっちゃ、だめなんですか?」
君の初めてが、まだ残ってる」
穂乃香を仰向けにして、額に落ちた髪を払う。
彼女は小さく頷いて、ゆっくり目を閉じた。
膝は自分から開いている。
僕は枕元の袋からゴムを出して、先に被せ、根元まで下ろす。
「付けるね。痛くしたくないから」
穂乃香は目を開けて、小さくもう一度頷いた。
僕はゴムの先を入口に当てた。
「力、抜いてて。痛かったら言って、止めるから」
「……うん」
吐く息に乗せて、先だけを入れる。
入口で引っかかって、穂乃香の眉が寄った。
一度抜いて、また同じところへ当て直す。
「痛い?」
「っ、……ちょっと。でも、いい、続けて」
半分まで進めたところで、彼女は喉の奥から高い声を漏らして、僕の腕にしがみついた。
爪が食い込む。
残りを、息に合わせて根元まで沈める。
中が熱くて、初めての窄まりが僕をきつく抱えていた。

