「こくっん」と鳴った喉 ――終電を逃した後輩と、シフト表に載らない火曜日

「隠さないで。ちゃんと聞いてて」

「……っ、はぁ、あ……」

「ほら、ぐちゅぐちゅ言ってる」

裕一の腰が、智也の手のほうへ小さく押しつけられる。

自分がやっていることに気づいたのか、すぐに止まった。

止まって、また戻ってくる。

智也は指の動きを一度だけ緩めた。

焦らされた体は正直で、裕一の内側がきゅうっと締まって、指を追いかけた。

「分かる? もう挿れてほしがってる」

裕一は答えなかった。

枕に押しつけた頬が真っ赤で、睫毛が濡れていて、代わりに喉が鳴った。

こくん、と、唾を飲み込む音。

それだけ。

智也はその音を聞いて、うっすら笑った。

「顔赤くするだけで何も言わないなら、もっと虐めちゃうけど、いい?」

返事はない。

飲み込む音がもう一度。

それが肯定だと、智也はもう知っている。

指を増やして、わざと深く、わざと外して、中をゆっくり掻き回す。

沈むほど緩んだそこは、抜こうとすると引き留めるみたいに絡んで、押し込むと嬉しそうに開いた。

裕一の腿が震えて、シーツを掴む指が白くなる。

「んっ、あ、そこ、待って、あ……」

「待たない」

「智也さ……っ、は、ぁ、あ、ぁ……」

声が途切れ、息だけになる。

裕一の呼吸はもう深く吸えていなくて、短く浅く、喘ぎの合間に細い音が混じった。

名前を呼びかけて、途中で崩れて、言葉にならないまま首を振る。

智也は動きを緩めない。

緩めない代わりに、耳元に唇を寄せた。

「腰、勝手に動いてるよ」

「言わない、で……っ」

「言うよ。言われると締まるくせに」

その通りだった。

裕一の内側が反応して、智也の指を強く咥え込む。

裕一は羞恥に耐えきれず智也の腕を掴んだが、押しのけるのではなく、引き寄せる力だった。

「……して、ください」

やっと出た声は掠れて、ほとんど吐息だった。

智也は聞き返さなかった。

ここまで焦らしたのは自分だから、ここから先で意地悪をするつもりはなかった。

指を抜いて、体を入れ替えて、ゆっくり押し入る。

裕一の口から高い息が漏れて、それから長い、震える吐息になった。

中はもう出来上がっていて、抵抗も何もなく、ただ熱かった。

BL
PR
この作品をXでポスト